new タンポポ 岸本 真佐男(岸本 真佐男 副代表)
タンポポは雑草としてのしぶとさをしっかり持っている。冬の間、地を這った葉っぱは踏まれてもへこたれないし、根は驚くほど長く引抜くのが困難である。この黄色い集合花は春の空地に目立つが、花のあとの種子(綿毛)の方が印象に強い。タンポポは風に乗せ、なるべく種子を遠くに飛ばすため、花が終わるとその茎を長く伸ばし、良く晴れた日に白いまん丸な綿毛を開く。私は、この綿毛を見ると、つい折り取り息を吹きかけ、綿毛を飛ばしたくなるのだが、まんまとタンポポの策略に乗せられている気がする。
タンポポという奇妙な名の由来についてはいくつかあるが、私は「種ポッポ」説が一番好きである。ポッポとは、何かが空気中に舞い上がる様を表している。汽車ポッポとか鳩ポッポの類いである。綿毛が風に吹かれて,青空にポッポと飛び出す様子がタネポッポで、それがこなれてタンポポになった。その景色、実に爽快である。
new 「は」は「わ」と読むが、どうして「わ」と書かないのか?
(石田 勝彦 広報)
2月23日に放送されたNHK番組の「チコちゃんに叱られる」で、「は」と「わ」の疑問について紹介されていました。
日本で使われる文字は中国から伝わった漢字が元になり、平仮名は漢字を変形して作られました。平仮名のない奈良時代は「波」を助詞として使っていましたが、読みは「pa=パ」でした。
「pa」の発音は平安時代に「fa=ファ」に変化し、その後、発音を楽にするため「ha=ハ」と「wa=ワ」に分かれました。
平安時代の文学や百人一首では、「あわれ」と発音するのに「あはれ」と表記してあります。この仮名遣いは、明治時代まで使われていました。
昭和21年(1946年)、「発音通りの仮名遣いをしよう」という方針で現代仮名遣いを政府が決めましたが、「私は」は平安時代以来使われてきたので「私わ」にしないことになりました。
ここで問題‼
右の(1)から(10)の文の□に、「は」または「わ」を入れると、意味のある文になります。
あなたは何問わかりますか?
答は
new マンガ de 日本語<8>『ココア&カカオ』 by エイネ
日本語で漫画を描いてみませんか
(エイネ&城野 佳代子 日曜A教室)
3月になると、そろそろ春の訪れ。早ければ3月終わりごろアレが見られるかも。
⓵ カカオ「ねーココアちゃん、お花見って知ってる。」
ココア「知らない。」
⓶ カカオ「桜を見ながら、ごはんを食べたり、お酒をのんだりするんだよ。」
⓷ ココア「でも、ネコは、お酒を飲めないでしょ。」
カカオ「ぼくは、ミルクを持ってきたよ。」
⓸ ココアとカカオ「帰るときに、自分の ゴミは自分で持って帰るんだよ。」
今月は、色鉛筆でカラフルに塗ってます。ホームページから見ると、きれいに見れますよ。桜が淡いピンク色で、春らしい。お花見の時は、ゴミ袋を用意しましょう。
new マンガ de 日本語<9>『ココア&カカオ』by エイネ
日本語で漫画を描いてみませんか
(エイネ&城野 佳代子 日曜A教室)
4月は桜のシーズン。お花見に行く人も多いのではないでしょうか。
きれいなピンク色の花を見ているとせっかくなので写真を撮ってみたくなりますね。でも、つい、こんなことしては...
⓵ ココア「カカオちゃん、さくら めっちゃきれいですね。私の写真を撮ってくれますか。」
⓶ ココア「このさくらの枝といっしょに写真を撮ります。」
⓷ カカオ「なぜその枝をおったのですか?」
ココア「カッコイイ写真を撮りたかった」
⓸ カカオ「おったら さくらの木が かわいそうだよ」
ココア「ごめんなさい つぎからは さくらの木といっしょに写真を撮ります」
とっていいのは、写真だけ。花の命はとっても短い。そっと見守りましょう。
ベトナムの旅 (石田 勝彦 広報)
昨年末、初めてベトナム旅行をしました。クスクスにはベトナムの学習者も多く、一度訪れたいと思っていました。
気候は12月でも暖かく、バスの車窓からの風景はハノイ市内は緑が多く、郊外では水牛も普通に飼われていました。食事も日本人に合う味で、全て完食でした。
注意が必要なのは交通ルールです。 ベトナムでは車両優先です。大きな道路でも信号のある横断歩道が少なく、横断するには勇気がいります。交通の切れ目を狙ってゆっくり渡るとバイクもスピードを落としてくれたので、無事渡れました。
ベトナムでは約50年前の戦争で散布された枯葉剤で苦しんでいる人が今も大勢いて、政府の支援で美術工芸品を作っている人たちに会いました。
世界では今も戦争が繰り返されていますが、戦争をやめる知恵を人類は見つけてほしいと思いました。
マンガ de 日本語<7>『ココア&カカオ』 by エイネ
日本語で漫画を描いてみませんか
(城野 佳代子 日曜A教室)
2月22日は何の日? インターネットで見てみると、「おでんの日」。
日付が、おでんに息を吹きかけて冷まそうとする音「ふーふーふー」であることが由来とされています。』
1 カカオ「にゃん~ 2月22日は日本の猫の日だって、しってる?」
2 ココア「なぜ日本では2月22日が猫の日なの?」
3 カカオ「日本では猫はニャンニャンとなくので、2が3つでニャンニャンニャンになるからだよ~」
ココア「すごい」
4 カカオ「その日にプレゼントが届くといいな~」
「猫の日」は、『「猫の日制定委員会」が1987(昭和62)年に制定。「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」の語呂合せ。全国の愛猫家からの公募でこの日に決まった。』2月22日 今日は何の日~毎日が記念日~ (nnh.to) と、あります。
あなたは、かわいい猫ちゃんに、何をプレゼントしますか。
猫はポルトガル語で何と言いますか。 →“gato”
幸運と不運 (森 勝則 代表)
幸運はいつも一人でひっそりとやって来て、それとは気づかぬうちに立去るが、不運はいつも団体でやってきて、いつまでも居座る。
不運に囲まれて先に進めず迷っている時、私はいつも山に登る。最近はすぐ近くの里山にも熊が出没して、必ずしも安全な所ではないが、私にとって山ほど心休まる場所はない。多くの木々や野鳥に囲まれて、生まれたばかりの新鮮な酸素を吸っていると、時間の経つのを忘れさせてくれる。時の流れは、苦しいことも辛いことも、全て洗い流して、遥か彼方に運んでくれる。後に残るのは楽しかった想い出ばかりだ。私の人生は実に都合よく出来ている。
81歳にもなった年の初めに、幸運なぞ望むべくもないが、年の功で、せめて不運と仲好くするすべを考えてみたいものだ。
日本語教育能力検定試験受験記
(小島 基弘 日曜日 B教室)
2023年10月22日の日曜日、日本語教育能力検定試験を受験しました。この試験は民間試験ですが、2023年時点では日本語教師になるための唯一の資格試験と言えます(2024年度からは国家試験が開始される予定)。
抜けるような秋晴れの下、試験会場へと向かいました。国家資格化前の最後の民間試験となるため、受験者は少ないのではないかと思っていましたが、予想に反し、会場には大勢が詰めかけていました。
試験は朝9時50分から夕方4時40分まで、約7時間の長丁場です。午前中は基礎知識を問う試験I(80問)、昼食をはさんで午後は音声を媒体とした試験II(40問)、現場での問題解決能力を問う試験III(100問 + 記述式1問)という三部構成です。マークシート式の問題が全部で220問と、日本語教育場面で与えられた課題に自分はどう対処するかを書く400字の記述問題が1問あります。試験終了の合図があったとき、頭の中は空っぽになり、全身の力がスーッと抜けていくようでした。ですが、出せる力をすべて出し切ったという清々しい疲れでした。
私は今のところプロの日本語教師になるつもりはなく、あくまでボランティアとして学習者さんをサポートして行きたいと考えています。今回の受験は、日本語教育に対する知識を深める機会にするとともに、自分の能力を測ってみたいという動機から思い立ちました。
年初から少しずつ受験勉強を進めましたが、本業の忙しさもあってすぐに停滞気味になり、ようやくお尻に火がついてきたのは5月の連休過ぎからです。8年分の過去問と3回分の模擬試験問題集を解きながら、わからなかった箇所を参考書やネット等で調べ、知識を確かなものにしていきました。
受験勉強中の得点は70%を超えるか超えないかという程度で、なかなか自信を持てませんでしたが、本番の試験を自己採点した結果は77%で、かなり向上していました。これはもしかすると……と思っていると、クリスマスに嬉しいプレゼント(合格通知)が届きました。自分の知識が一定水準に達していることを確認できた喜びと安心感で胸が一杯になりました。
今回の経験を糧に、更に知識を深めつつ、少しでも学習者さんのお役に立てるよう、このボランティア活動を続けて行きたいと思っています。
マンガ de 日本語<6>
『ココア&カカオ』 by エイネ
2024年 令和6年 新しい年が始まりました。今年もエイネさんのマンガを紹介していきます。
ところで、エイネさん、「明けましておめでとうございます」をポルトガル語で何と言いますか?
“ Feliz ano novo! ”
① ココア「カカオちゃん 日本人は お正月に 何をしますか。」
② カカオ「初詣『はつもうで』 わかりますか。」
③ ココア「わからない。」
カカオ「新年の無事を 祈ったり おみくじを 引いたり するんだよ。」
④ ココア「へ~ そうなんだ。 行ってみたい。
2024年も 良い一年に なりますように。」
日本語のコーナー
身体の部位を使った言葉から
(安田 邦夫 日曜日・B教室)
今年の6月、天皇陛下がインドネシアを訪問されたとき、同国の『ダルマ・プルサダ大』を訪れ、日本語を勉強している若い学生方と交流された、という報道がありました。その折、一人の学生が「水くさい」という言葉を取り上げ、これは「水のにおいがくさい」という鼻の感覚を表しているのではなく、「人間関係(人情)が希薄」という意味である事を知り、日本語の奥深いことに興味を持つようになりました、と言っておりました。
日本語にはこのように、体の部位を使っていろいろな場面を表現する言葉があります。
読売新聞の『ことばの宝箱』という連載から、今回は「におい」に縁のある『鼻〈はな〉』を使った表現を少し紹介しましょう。
【鼻がきく】
「においをかぎ分けられる」、と「秘密などを敏感にさぐりあてる」という意味があります.
【鼻息が荒い】
何かをするとき、とても「意気込んでいる、張り切っている」ようす。
【鼻をつく】
強いにおいに鼻が刺激されること。
【鼻が高い】
「誇らしく思ったり、あることを自慢に思う」時に使われる。
【木で鼻をくくる】
「そっけなく、冷たい態度をとる」こと、「木で鼻をくくったような言い方」、というような使い方をします。
【鼻にかける】
得意げに自慢すること。
【鼻持ちならない】
言動がいやみで我慢できない様子。
【目と鼻の先】
距離がきわめて近いたとえ。 ― 彼の家は目と鼻の先だよ ― 先/距離感をあらわす。
鼻につく、鼻もひっかけない、鼻をあかす、鼻を折る、鼻っ柱が強い、等々たくさんあります。どういうわけかあまり良い場面が出てきませんね。学習者の皆さんのお国にも同じようなものがありますか。何かの機会に教えて下さい。
( 参考・新明解国語辞典 )
LGBT講演会のお知らせ
LGBTQって何ですか
(木田 勝久 火曜日教室)
LGBTQって言葉をご存じですか? 最近、新聞やテレビでこの言葉をよく見聞きしますが、その言葉の意味をゆっくりと考えたことがありますか?
Lesbian レスビアン (女性同性愛者)
Gay ゲイ (男性同性愛者)
Bisexual バイセクシャル (両性愛者)
Transgender トランスジェンダー (心と体の性が異なる人)
Queer/Questioning クイア/クエスチョニング (性的指向・性自認が定まらない人)
LGBTQはこの頭文字をつなげた略語で、いわゆる性的少数者(セクシュアルマイノリティ)の総称です。近年これらの性的マイノリティへの理解や差別撤廃の動きが活発になり、一般社会や企業でもその対応が迫られています。私が担当する男女共同参画センターでは令和5年度「高槻市男女共同参画フォーラム」でこの問題を取り上げた講演会を予定しています。
開催日:2024年2月17日(土)13:30~15:30
会 場:クロスパル高槻8Fイベントホール
テーマ:「アニメの中のジェンダーを読み解く」
講 師:佐倉 智美(作家、NPO法人「SEAN」理事)